毎月3万円を20年。これで将来いくらになるのか、すぐに答えられる人はほとんどいません。私も新NISAを始めたころは、証券会社のサイトにある計算フォームに数字を打ち込んでは、出てきた金額をノートに書き写していました。
ただ、あの手の計算フォームで分かるのは「将来いくらになるか」だけなんですよね。私が本当に知りたかったのは、その先でした。その金額で、自分は何歳から働かなくてよくなるのか。そして老後、毎月いくら使えるのか。ここまで出してくれる無料ツールが見当たらなかったので、自分で作ってしまいました。
それがNISA積立シミュレーターです。登録もメールアドレスの入力もいりません。入れた数字はあなたのスマホやパソコンの中だけで計算されるので、どこかに送信されることもないです。この記事では、画面の写真を出しながら使い方をひととおり説明していきます。
- NISA積立シミュレーターに入れる4つの数字
- 4つのタブで出せる答えの違い
- NISAの節税額と年間投資枠の確認方法
- 何歳でFIREできるかを試算する手順
NISA積立シミュレーターの使い方
まずは基本の操作からいきましょう。触るのはスライダーだけで、難しい入力は一つもありません。ここでは画面を上から順に追いながら、どこに何を入れて、どこを読めばいいのかを説明します。5分あればひととおり触れるはずですよ。
入れる数字は4つだけ
ツールを開くと、いちばん上に大きな数字、その下に入力欄が並んでいます。入力欄は「いまの年齢」「いま持っている資産」「毎月の積立額」「想定利回り」の4つ。それ以外は空欄のままでも計算できます。

スライダーを動かすと、上の結果がリアルタイムで書き換わります。数字を直接打ち込みたいときは、右側の数値部分をタップすれば入力できます。何度でもやり直せるので、まずは適当に動かして遊んでみてください。
迷いやすいのが「想定利回り」でしょうか。ここは全世界株式や米国株のインデックスファンドを想定するなら、年3〜5%あたりが無難な置き方だと思います。過去の実績はもっと高い時期もありましたが、これから先も同じとは限りません。将来の数字は、控えめに置くほど計画が崩れにくくなります。
利回りを7%や8%にすると、画面上の金額は一気にふくらみます。ただ、その数字を前提に生活設計を組むと、相場が沈んだときに計画ごと崩れてしまいます。強気の数字は「うまくいった場合の上限」として見るくらいがちょうどいいです。
「いま持っている資産」の欄も、ぜひ埋めてみてください。ここを0のままにしている方が多いのですが、すでに預金や投資信託を持っているなら、その金額が計算のスタート地点になります。同じ積立額でも、出発点が違えば到達点はまったく変わります。銀行に置きっぱなしのお金がある方ほど、入れたときの差に驚くはずですよ。
年齢の欄は、FIRE試算とつながっています。ここで入れた年齢を起点に、何年後に何歳になっているかを計算しているので、実年齢を入れておいてください。50代からでも遅くはありません。私自身が50代で新NISAを動かしていて、含み益は600万円を超えたところです。始めるのが遅かったからといって、計算する意味がなくなるわけではないんですよね。
4つのタブで答えを選ぶ
入力欄の下に、タブが4つ並んでいます。「将来いくら」「毎月いくら」「あと何年」「利回り何%」。知りたいことに合わせて、ここを切り替えます。

それぞれの使いどころはこんな感じです。「将来いくら」は、いまのペースを続けたら最終的にいくらになるかを見るとき。「毎月いくら」は、目標金額から逆算して積立額を決めたいとき。「あと何年」は、積立額を固定して期間のほうを知りたいとき。「利回り何%」は、目標と期間と積立額を先に決めてしまって、必要な利回りを確かめたいときです。
個人的にいちばん出番が多いのは「毎月いくら」でした。というのも、目標金額と年数は先に決まっていることが多いからです。2,000万円を20年でと決めてしまえば、あとはツールが毎月の金額を出してくれます。そこから「この額は今の家計で本当に出せるのか」を考えるほうが、話が早いんですよね。
逆に「利回り何%」タブは、危険信号を見つけるのに役立ちます。必要な利回りが年10%を超えるような結果が出たら、それは目標か期間のどちらかに無理がある、というサインです。運用でなんとかしようとせず、金額か年数を調整したほうが現実的でしょう。
大きな数字の読み方
画面のいちばん上に出る大きな数字が、そのときの答えです。タブを切り替えると、この数字の意味も一緒に変わります。

たとえば「毎月いくら」タブで、目標2,000万円・期間20年・利回り5%と置くと、必要な積立額は毎月48,700円と出ます。その下の青と緑のバーが、内訳です。青が自分で出したお金、緑が運用で増えたぶん。この例だと元本1,168万円に対して運用益が832万円で、全体の42%が運用益ということになります。
ここ、意外と見落とされがちなんですが、けっこう大事なところなんですよ。同じ2,000万円でも、20年かけるなら自分で出すのは1,168万円で済みます。期間が短いほど緑の部分は小さくなり、自分の負担が増えていきます。時間そのものが、お金を出してくれているということです。
年数を10年、20年、30年と切り替えて、緑のバーがどう伸びるかを見てみてください。「早く始めたほうがいい」と言われる理由が、数字と色でそのまま分かります。理屈で説明されるより、こっちのほうが納得しやすいと思います。
グラフで増え方を確かめる
結果の下には、資産がどう増えていくかを描いたグラフがあります。積み上がっていく形を見ると、増え方が一直線ではないことが分かるはずです。

最初の数年は、ほとんど元本だけです。緑の部分はごくわずかで、正直「これ意味あるのかな」と思う時期でもあります。私も積立を始めて2年目くらいまでは、含み益が数万円動くたびに一喜一憂していました。
ところが10年を過ぎたあたりから、グラフの傾きが変わってきます。運用益が運用益を生む状態になるからですね。これがいわゆる複利です。言葉で聞くとピンとこないのですが、グラフで見ると「後半にぐっと立ち上がる」形として一目で分かります。だからこそ、途中でやめないことが効いてくるわけです。
もうひとつ、グラフの下には年ごとの推移を数字で並べた表も用意しています。何年目にいくらになっているか、そのうち運用益がいくらかを一行ずつ確認できます。グラフでは大まかな形しか分かりませんが、表なら「10年目の残高」といったピンポイントの数字が拾えます。住宅ローンの繰り上げ返済を考えている方や、教育費のピークが何年後に来るかが決まっている方は、この表のほうが使いやすいかもしれません。
NISAでいくら得するか
次のカードが、私がこのツールで一番見てほしい部分です。NISA口座を使った場合と、普通の課税口座を使った場合で、手取りがいくら変わるかを出しています。

運用益には通常20.315%の税金がかかります。所得税と復興特別所得税、それに住民税を合わせた税率です。さきほどの例だと運用益は832万円ですから、課税口座なら約169万円が引かれる計算になります。NISA口座ならこれがゼロ。手続きは口座を作るときの一度きりで、169万円が丸ごと自分のものになるわけです。
この金額を見ると、口座の種類を選ぶという地味な作業が、どれだけ効くかが分かると思います。運用の腕を上げて169万円を稼ぐのは大変ですが、口座を選ぶのは一回の手続きで終わります。まだNISA口座を持っていないなら、ここが最優先です。
口座を開くならネット証券が無難です。私は楽天証券とSBI証券の両方に口座を持っていますが、楽天市場をよく使うなら楽天証券、取扱本数や外国株の広さを重視するならSBI証券、という選び方でいいと思います。どちらも口座開設と維持は無料です。
年間の枠に収まるかを確認
NISAには年間の投資枠があります。つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円、合わせて年360万円まで。生涯の上限は1,800万円です。決めた積立額がこの枠に収まっているかも、自動で判定しています。

毎月48,700円なら年間で約58万円ですから、つみたて投資枠の年120万円には余裕で収まります。もし積立額を上げていって枠を超えると、ここに注意のメッセージが出るようになっています。
同じカードの中に、iDeCoの上限も確かめられるところを用意しました。会社員か自営業か、企業年金があるかどうかで上限額が変わるので、当てはまる区分を選んでください。iDeCoは掛金が全額所得控除になるので、NISAとは別の意味で効きます。年収を選ぶと、年間の節税額の目安も出ます。
ただしiDeCoは、原則60歳まで引き出せません。教育費や住宅資金のようにいずれ使う予定があるお金は、iDeCoに入れないほうが安全です。使う時期が決まっているお金はNISAか現金、老後まで動かさないお金はiDeCo、という分け方が分かりやすいと思います。
NISA積立シミュレーターの活かし方
ここからが本題です。積立の結果を、そのまま自分の人生に当てはめてみます。何歳で働かなくてよくなるのか、そのあと毎月いくら使えるのか、寿命まで足りるのか。ふつうの計算フォームでは出てこない部分を見ていきましょう。
何歳でFIREできるか出す
ページを下にスクロールすると「あなたの資産の山はどこまで登れる」というカードが出てきます。ここがFIRE試算です。入れるのは、FIRE後に毎月使いたい金額、何歳まで生きる想定か、受け取れそうな年金、取り崩し期の想定利回りの4つ。

たとえば45歳・資産1,500万円・毎月10万円積立・生活費25万円という条件だと、58歳でFIREできるという結果になりました。そのとき資産は4,236万円で、必要な4,206万円を上回ります。そこから毎月使えるお金は251,000円です。
ここで表示される金額は、すべて今の物価に換算した価値で出しています。物価上昇のぶんを差し引いた実質の利回りで計算しているので、「30年後の4,000万円って今のいくら?」と考え直す必要がありません。将来の数字をそのまま今の感覚で読めるようにしてあります。
年金の欄は、ねんきん定期便に載っている見込額を入れるのがおすすめです。0のままでも計算できますが、年金を入れるかどうかで必要額は大きく変わります。受け取り開始年齢も60歳から75歳まで動かせるので、繰り下げを検討している方は両方を試してみてください。
もうひとつ、FIRE後の想定利回りは、積立期より少し下げておくのが一般的です。取り崩しに入ると、値下がりした資産を売って生活費に充てる場面が出てくるので、株式の比率を落として守りに入る人が多いからですね。初期値は4%にしてありますが、3%くらいまで下げて確かめておくと、より安全側の計画になります。
「何歳まで生きる想定か」も、長めに置くのが安全です。初期値は95歳にしてあります。短く設定すれば必要額は減って見栄えのいい数字が出ますが、実際に長生きしたときに困るのは自分ですからね。ここは見栄えより安全側で置いておきましょう。
資産の山で全体を見わたす
FIRE試算の下には、資産の増減を山の形で描いたグラフがあります。積み上げていく登りと、取り崩していく下りが一枚につながっているので、人生のお金の流れが一目で分かります。

このブログが5,000万円の小金持ち山を目指しているので、まさに山そのものですね。頂上がFIREの時点で、そこから先は下っていくことになります。大事なのは、下り切る前に寿命を迎えられるかどうか。グラフの右端が地面に着く前に終わっていれば、計算上は足りているということです。
逆に、山が途中でゼロに突き刺さるような形になったら要注意です。生活費を下げるか、FIREの時期を後ろにずらすか、積立額を増やすか。どれを動かせばどう変わるかは、スライダーを触ればすぐ分かります。数字をいじりながら考えられるのが、紙の計算にはない良さだと思っています。
届かないときこそ意味がある
条件によっては「届かない」という結果が出ることもあります。ただ、これは失敗の表示ではありません。むしろ、このツールで一番価値があるのはここだと思っています。

毎月5,000円の積立で生活費30万円という条件だと、75歳までには届かないという結果になりました。でも画面には、そこから何をすればいいかが金額付きで並びます。積立を毎月267,000円まで増やせば65歳で届く、生活費を16万円まで下げれば今のペースでも成立する、といった具合です。
この数字が出ると、話が具体的になります。「もっと頑張らないと」ではなく「毎月あと2万円だ」と分かれば、次にやることが決まりますよね。私も含み益が伸びてきたのは、精神論をやめて金額で管理するようになってからでした。
◆ワッシーのワンポイントアドバイス
足りないと出たとき、真っ先に見直したいのは収入より固定費です。保険と通信費を見直して月2万円浮けば、それがそのまま毎月の積立額になります。しかも一度直せば毎月ずっと効くので、労力あたりの効果は副業より高いですよ。
積立額を増やす近道
とはいえ、固定費の見直しにも限界はあります。そこから先で効くのが、税金のほうです。特にブログや副業で収入がある方は、ここを直すと積立に回せる金額がまとまって増えます。
私自身、ブログとアフィリエイト、それにせどりやメルカリでの物販をやってきましたが、いちばん面倒だったのは確定申告でした。レシートをためこんで、3月に慌てて仕分けをして、結局よく分からないまま出す。あの時間がもったいなかったです。
いまはマネーフォワード クラウド確定申告を使っています。銀行やカードと連携して自動で仕分けしてくれるので、申告の時期に慌てなくて済みます。青色申告の65万円控除を取れば、その節税分がまるごと積立の原資になりますからね。無料で試せるので、まず触ってみるのがいいと思います。
マネーフォワード クラウド確定申告を無料で試す(公式サイト)
家計簿アプリのマネーフォワードMEを使っているなら、同じアカウントで使えるのも地味に助かります。副業の収入と家計を同じ場所で見られるようになると、毎月いくら積立に回せるかの判断が早くなりますよ。
物販をやっている方なら、在庫の仕入れ費用と生活費が混ざりやすいところも自動で分けられます。私はメルカリとせどりをやっていた時期、この切り分けが一番あいまいでした。事業のお金と家計のお金が混ざると、毎月いくら積立に回せるのかが分からなくなります。そこがはっきりするだけでも、シミュレーターに入れる数字の精度が上がりますよ。
入力したデータは保存できる
ページの一番下に、入力内容を保存する機能を付けました。次に開いたとき、前回の続きから始められます。

保存先はあなたのブラウザの中です。私のサーバーにも、どこかの会社にも送られません。だから安心して年収や資産額を入れてもらえます。逆に言うと、ブラウザの履歴やサイトデータを消すと保存内容も消えますし、パソコンで入れた数字がスマホに引き継がれることもありません。
半年に一度くらい開き直して、そのときの数字に更新するのがおすすめです。給料が上がったり、ローンが終わったり、家族構成が変わったりすれば、必要な金額も変わります。計画は作って終わりではなく、育てていくものだと思っています。
NISA積立シミュレーターに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 会員登録やメールアドレスの入力は必要ですか
A. どちらも不要です。ページを開いた瞬間から使えます。入力した数字はあなたの端末の中だけで計算されていて、外に送信されることはありません。メールアドレスを集めるための無料ツールではないので、そのまま気楽に使ってください。
Q2. 想定利回りは何%にすればいいですか
A. 全世界株式や米国株のインデックスファンドを想定するなら、年3〜5%あたりが無理のない置き方だと思います。あくまで一般的な目安ですが、高めに置くほど計画は崩れやすくなります。まず控えめな数字で成立するかを確かめて、そのうえで強気の数字も見てみる、という順番がおすすめです。
Q3. 出てきた金額はそのまま信じていいですか
A. 平均でならした計算なので、実際の値動きとは違います。特に取り崩しを始めた直後に相場が大きく下がると、想定より早く資産が減ることがあります。数年ぶんの生活費を現金で持っておくと、この揺れをかなり吸収できます。目安として使ってください。
Q4. スマホでも使えますか
A. 使えます。スライダーは指で動かせますし、グラフも画面幅に合わせて描き直されます。通勤中に触って、家でパソコンからじっくり見直す、といった使い方もできます。ただし保存内容は端末ごとに分かれるので、スマホとパソコンで数字は共有されません。
Q5. 年金の見込額が分からないときは
A. ねんきん定期便に載っている見込額を入れるのが一番早いです。手元にないときは、いったん0で計算してみてください。年金なしでも成立する計画なら、かなり安全側に振れているということになります。あとから正しい数字を入れて、どれだけ余裕が生まれるかを見るのも面白いですよ。
NISA積立シミュレーターのまとめ
ここまでの内容をふり返っておきます。NISA積立シミュレーターは、4つの数字を入れるだけで将来の資産額を出し、そこからNISAの節税額、年間投資枠の判定、FIRE年齢、老後に使える金額までを一枚のページで見られる無料ツールです。登録もメールアドレスもいらず、入力した数字は端末の中だけで処理されます。
使い方は難しくありません。年齢と資産、毎月の積立額、想定利回りを入れる。知りたいことに合わせてタブを選ぶ。あとは下にスクロールして、節税額とFIRE試算を読む。この3つだけです。
そして、いちばん価値があるのは「届かない」と出たときだと思っています。足りない金額がはっきりすれば、固定費を見直すのか、積立を増やすのか、時期をずらすのか、選べるようになります。ぼんやりした不安が、具体的な数字に変わる。それがこのツールを作った理由です。
数字を出したら、次は口座です。NISA口座をまだ持っていないなら、そこが最初の一歩になります。私は楽天証券とSBI証券の両方を使っていますが、どちらも口座開設と維持は無料なので、迷ったら使いやすそうなほうから始めれば大丈夫ですよ。
