「新NISAのつみたて投資枠、オルカンとS&P500はどっちを積み立てればいいの?」——ここで手が止まる人はとても多いです。そこでこの記事では、当ブログのNISA積立シミュレーターを実際に動かして、オルカンとS&P500の積立シミュレーションを並べて比較しました。毎月3万円・5万円を20年/30年続けたら、両者にいくら差がつくのか。2026年9月時点の信託報酬・リターン実績もあわせて、ぜんぶ数字で確認していきます。
【グラフ】積立額・期間ごとの到達額をまとめて比較
5つの条件をひとつのグラフに並べました。棒の高さの差=オルカンとS&P500の差です。期間が20年から30年に伸びたとき、差が急に開くのが目で分かると思います。
積立額・期間別|オルカンとS&P500の到達額を比べる
縦軸は万円。想定利回りはシミュレーターのプリセット(全世界株5%・米国株7%)を使用しています。
この記事の結論(先に3行で)
- 毎月5万円を30年:オルカン(想定5%)は4,161万円、S&P500(想定7%)は6,100万円。差は1,939万円。ただしこれは「利回りを2%高く仮定したら」の話で、将来を保証する数字ではありません。
- リスクまで見るとオルカンが有利な面もある:過去5年のシャープレシオ(リスク1単位あたりのリターン)はオルカン1.35 > S&P500 1.28です。
- どちらを選んでも大正解。唯一の不正解は「迷って積立を始めない」こと。まずは自分の金額でNISA積立シミュレーターを動かしてみてください。

ねえ父さん、オルカンとエスピーごひゃくって、けっきょくどっちのほうがお金ふえるの?ぼく、どっちも同じに見えるんだけど!

いい質問だね、ワッピー。実はね、オルカンの中身も6割くらいはアメリカの会社なんだよ。だから「まったく別のもの」じゃなくて、アメリカだけに賭けるか、アメリカを中心にしつつ世界にも保険をかけるかの違いなんだ。今日は父さんが作ったシミュレーターで、実際に数字を出して一緒に見てみようか。
その積立、将来いくらになると思いますか?
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オルカンとS&P500の違いを2026年最新データで比較
まずは、迷いのもとになっている「中身とコスト」の違いをはっきりさせておきましょう。以下は2026年9月8日時点の実データです。
| 比較項目 | eMAXIS Slim 全世界株式 (オルカン) | eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500) |
|---|---|---|
| 投資対象 | 日本を含む先進国・新興国47カ国 | 米国の主要企業500社 |
| 組入銘柄数 | 約2,400銘柄 (指数のMSCI ACWIは2,458銘柄) | 500社 |
| 米国の比率 | 約63% (2026年7月末・時価総額に応じて自動調整) | 100% |
| 信託報酬 (税込・年率) | 0.05775%以内 | 0.0814%以内 |
| 純資産総額 | 約13兆5,187億円 | 約12兆5,392億円 |
| リターン(1年) | +33.12% | +30.44% |
| リターン(3年・年率) | +24.29% | +24.52% |
| リターン(5年・年率) | +19.72% | +21.32% |
| 標準偏差(5年) 数字が小さいほど値動きが穏やか | 14.55 | 16.60 |
| シャープレシオ(5年) 数字が大きいほど効率がよい | 1.35 | 1.28 |
※基準価額・純資産総額は2026年9月8日時点。リターン・標準偏差・シャープレシオは2026年8月末時点(分配金込み・円ベース)。信託報酬は各ファンドの交付目論見書ベース。数値は日々変動します。

投資を始めたばかりのコッコです。「シャープレシオ」ってはじめて聞きました…。これって何ですか?

むずかしそうな名前ですが、中身はシンプルですよ。「どれだけヒヤヒヤさせられたかに対して、どれだけ増えたか」の燃費だと思ってください。数字が大きいほど、同じ値動きの荒さで多くのリターンを取れたということ。過去5年はオルカン1.35、S&P500 1.28なので、「効率」ではオルカンが上だったわけです。リターンの絶対値だけ見ていると、この事実は見えてきません。
【実測】オルカンとS&P500を積立シミュレーションで比較してみた
ここからが本題です。当ブログのNISA積立シミュレーターに実際に数字を入れて、オルカンとS&P500の積立シミュレーションを走らせました。すべて同じツール・同じ計算式で出した結果です。
シミュレーションの前提条件
- オルカン=想定利回り年5%/S&P500=想定利回り年7%(シミュレーターに標準搭載されている「全世界株の目安」「米国株の目安」のプリセットをそのまま使用)
- 初期資金0円から、毎月末に一定額を積み立て、月複利で計算
- 信託報酬・為替変動・税金は含まない概算(金融庁の資産運用シミュレーターと同じ方式)
毎月3万円を積み立てた場合
| 期間 | 元本 | オルカン (年5%) | S&P500 (年7%) | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 20年 | 720万円 | 1,233万円 | 1,563万円 | +330万円 |
| 30年 | 1,080万円 | 2,497万円 | 3,660万円 | +1,163万円 |
毎月3万円でも、30年続ければ元本1,080万円が2,497万〜3,660万円まで育つ計算です。20年時点の差は330万円ですが、30年になると差が1,163万円まで広がります。利回りの差は、時間が長いほど効いてくるという複利の性質がはっきり出ていますね。
毎月5万円を積み立てた場合
| 期間 | 元本 | オルカン (年5%) | S&P500 (年7%) | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 20年 | 1,200万円 | 2,055万円 | 2,605万円 | +550万円 |
| 30年 | 1,800万円 | 4,161万円 | 6,100万円 | +1,939万円 |
毎月5万円・30年のケースでは、元本1,800万円に対して運用益がオルカンで2,361万円、S&P500で4,300万円。その差は1,939万円です。数字だけ見ると「やっぱりS&P500じゃないか」と思いますよね。ただ、この1,939万円は「30年間ずっと年2%多く増え続けたら」という仮定が全部当たった場合だけ手に入るものです。ここを混同しないことが何より大切です。

1,939万円も違うの!?じゃあぜったいエスピーごひゃくのほうがいいじゃん!なんでみんな迷ってるの?

気持ちはよく分かるよ、ワッピー。でもね、これは「7%になると決まっている」わけじゃないんだ。もしアメリカが30年間ずっと世界一のままなら、その差は本当に生まれる。でも1970年代や2000年代前半みたいに、アメリカが10年ぐらい足踏みした時期も実際にあったんだよ。1,939万円は「ごほうび」であると同時に、「はずれたときの落差」でもある。父さんはそう考えているよ。
「オルカン50%+S&P500 50%」で持ったらどうなる?
「迷うから半分ずつ」という方も多いので、想定利回りの中間である年6%でも計算してみました。
| 毎月の積立額 | 期間 | 年6%(半々のイメージ) | オルカンとの差 |
|---|---|---|---|
| 3万円 | 30年 | 3,014万円 | +517万円 |
| 5万円 | 30年 | 5,023万円 | +862万円 |
ただし中身を合成すると、米国比率が約80%のファンドを自作しているのと同じになります。分散効果が劇的に高まるわけではなく、管理する商品が2つに増えるだけ。「半々」は悪手ではありませんが、シンプルさを買うならどちらか一方に絞るほうがおすすめです。
信託報酬0.024%の差は、30年でいくらになる?
コストの差も、同じシミュレーターで確かめてみました。毎月5万円・30年で、想定利回りを5.00%と4.98%(0.02ポイントの差)にして比較すると——
| 想定利回り | 30年後の資産 | 差 |
|---|---|---|
| 年5.00% | 4,161万円 | 約15万円 |
| 年4.98% | 4,146万円 |
30年・元本1,800万円という規模で、コスト差の影響は約15万円。決してゼロではありませんが、1,939万円というリターン差と比べれば誤差の範囲です。信託報酬でどちらかに決めるのは、もう合理的ではありません。
NISA口座で積み立てると、税金はいくら浮く?
シミュレーターは非課税メリットも同時に計算してくれます。毎月5万円・30年のケースでは——
- オルカン(年5%想定):課税口座なら引かれるはずの税金 480万円がまるごと手元に残る
- S&P500(年7%想定):同じく 874万円が手元に残る
運用益に対する税率20.315%が丸ごと免除されるわけですから、商品選びで悩む前に、まずNISA口座で積み立てること自体が最大のリターンだと言えます。
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やってみました!わたしは毎月2万円しか出せないので「少なすぎるかな…」と不安だったんですが、20年でもちゃんと数字が出てきて、ちょっと安心しました。金額より、始める日を早くするほうが効きそうですね。
「オルカン一本は危ない」と言われる2つの理由と真相
シミュレーションの数字を見たうえで、ネット上でよく言われる「オルカンだけでは危険」という指摘も検証しておきましょう。結論から言うと、2つとも「正しい部分はあるが、危険とまでは言えない」というのが実態です。
理由①:S&P500よりリターンが見劣りする
過去10〜15年の成績では、GAFAMやNVIDIAといった巨大IT企業が牽引した米国株のほうが上でした。実際、上の比較表でも過去5年の年率リターンはS&P500が+21.32%、オルカンが+19.72%と、S&P500に軍配が上がっています。
【真相】これは「直近十数年がたまたま米国の超黄金期だった」という側面が大きいです。1970年代や2000年代前半のように、米国株が低迷して欧州株・新興国株が伸びた時代も実際にありました。どの国が次に勝つかを当て続けられる人以外にとって、世界全体への分散はいちばん手堅い守り方です。しかも直近1年に限れば、リターンはオルカン+33.12%>S&P500+30.44%と逆転しています。
理由②:結局6割が米国だから、米国の暴落からは逃げられない
「全世界に分散しているつもりでも、米国が暴落すればオルカンも一緒に下がる」という指摘です。
【真相】これは事実です。米国比率は約63%あり、米国発のショックを無傷でやり過ごせる市場は現代には存在しません。ただしオルカンの本当の強みは「下がらないこと」ではなく、米国以外の国が台頭してきたときに、時価総額に応じて自動でその国の比率を引き上げてくれることにあります。自分で銘柄を入れ替える必要が一切ないのです。実際、過去5年の標準偏差はオルカン14.55に対しS&P500は16.60で、値動きの荒さはオルカンのほうが穏やかでした。

じゃあ、もしアメリカがいちばんじゃなくなったら、オルカンがかってに直してくれるの?ぼくは何もしなくていいの?

そのとおりだよ、ワッピー。オルカンは「世界の会社の大きさの順番どおりに買う」というルールで動いているから、順番が変わればそのまま中身も入れ替わるんだ。だから父さんたちがニュースを追いかけて売ったり買ったりする必要はない。何もしなくていいことが、いちばんの機能なんだよ。
【タイプ別診断】あなたはオルカンとS&P500どっちを選ぶべき?
「オルカン」が向いている人
- 投資のことは普段忘れて、本業や家族との時間に集中したい
- 30年後・50年後も米国が世界の覇権を握り続けているか、正直わからない
- 暴落時の値動きをできるだけ穏やかにしたい(標準偏差14.55)
- 一度クレカ積立を設定したら、定年まで完全放置したい
「S&P500」が向いている人
- 世界をリードするイノベーションは、今後も米国から生まれると確信している
- 値動きの荒さ(標準偏差16.60)を受け入れてでもリターンを狙いたい
- すでに日本の高配当株などを別で持っていて、米国枠を純粋に強化したい
- 暴落しても絶対に売らない自信がある
新NISAで積み立てるなら「クレカ積立」で始めよう
オルカンにせよS&P500にせよ、買い付けは証券口座のクレジットカード積立を使いましょう。現金で毎月買い付けるのと比べて、ポイント還元分が確実にプラスになります。同じ商品を同じ金額買うのに、還元があるかないかだけの差ですから、使わない理由がありません。
NISA口座は1人1口座、金融機関の変更は原則1年に1回です。①つみたて投資枠の取扱本数 ②普段使っているポイント ③アプリの見やすさ——この3点で選べば大きく外しません。
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画面が見やすく、初めての証券口座でつまずきにくいのが最大の利点です。楽天カードや楽天キャッシュで積み立てると楽天ポイントが貯まるので、楽天市場や楽天モバイルをよく使う方と相性が抜群。オルカンもS&P500も、もちろん取り扱っています。
正直なデメリット:外国株の取扱国数や投資信託の本数では、SBI証券にやや譲ります。将来的に個別株まで手を広げたい方は、次のSBI証券も検討してください。
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つみたて投資枠の取扱本数が最多クラスで、三井住友カードでのクレカ積立に対応しています。外国株の取扱国数も多く、あとから投資の幅を広げたい方に向いています。高配当株を1株から買えるS株(単元未満株)が使えるのも、私が使い続けている理由です。
正直なデメリット:機能が多いぶん、画面が少し複雑に感じる方もいます。「とにかくシンプルに始めたい」なら楽天証券のほうがストレスは少ないでしょう。
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よくある質問(オルカンとS&P500の積立シミュレーション)
- Q. オルカンとS&P500、両方買うのはダメですか?
- A. ダメではありません。ただし合成すると米国比率が約80%のファンドを自作しているのと同じになり、分散効果が大きく高まるわけではありません。管理する商品が増えるだけなので、シンプルさを優先するならどちらか一方に絞るのがおすすめです。
- Q. 途中でオルカンからS&P500に乗り換えてもいい?
- A. 積立設定の変更はいつでも可能です。ただしNISA口座内で売却して買い直すと、その年の投資枠を使ってしまいます。すでに買った分はそのまま置いておき、翌月以降の積立先だけ変えるのが一般的なやり方です。
- Q. 想定利回りは何%で計算するのが正しいですか?
- A. 「正しい数字」は存在しません。この記事では一般的な目安である全世界株5%・米国株7%を使いました。慎重に見たいなら3〜4%、強気に見たいなら6〜7%と、複数のパターンで計算して幅を持っておくのが実践的です。シミュレーターならスライダーを動かすだけで比べられます。
- Q. 信託報酬は想定利回りに反映されていますか?
- A. されていません。シミュレーターは手数料・為替・税金を含まない概算です。厳密に見たい場合は、想定利回りから信託報酬分(オルカンなら約0.06%)を引いた数字を入力してください。ただし本文のとおり、30年で約15万円程度の影響にとどまります。
- Q. 毎月いくらから始めれば意味がありますか?
- A. 金額の下限より、始める時期のほうが結果に効きます。毎月1万円でも、30年続ければ年5%想定で832万円になります。まずは無理なく続けられる額で自動積立を設定し、収入が増えたタイミングで増額していくのが現実的です。
まとめ:選んだら「航路を守り続ける」ことが最大の勝因
オルカンとS&P500の積立シミュレーションを比較した結果を、もう一度まとめます。
- 毎月5万円・30年:オルカン(年5%)4,161万円 vs S&P500(年7%)6,100万円で、差は1,939万円
- ただしこの差は「利回りを2%高く仮定した場合」の差であり、約束された数字ではない
- 過去5年のリスク調整後リターン(シャープレシオ)はオルカンが上(1.35 vs 1.28)
- 信託報酬の差0.024ポイントは、30年でも約15万円の影響にとどまる
- 商品選びより、NISA口座で非課税にすること(30年で480万〜874万円)のほうがインパクトが大きい
どちらを選んでも、長期で見れば世界経済の成長の恩恵は十分に受け取れます。本当に恐れるべきは銘柄選びの失敗ではなく、暴落時に怖くなって積立をやめてしまうことです。心から納得して持ち続けられるほうを選び、今日から自動積立のエンジンを回し始めましょう。

ワッピー、覚えておいてほしいことがひとつだけあるよ。いちばん増やしたのは「いい商品を選んだ人」じゃなくて、「途中でやめなかった人」なんだ。だから父さんは、増える金額より「これなら続けられる」と思えるほうを選びなさい、と言っているんだよ。
最後に、あなたの数字で確かめてください。
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