こんにちは、ワッシーです。
お金の勉強を続けていると、どこかのタイミングで「で、私はいつまでこれを続ければいいんだろう」という壁にぶつかります。毎月コツコツ積み立てて、値動きに一喜一憂しないようにして、生活費も見直して。それでもゴールが数字で見えないと、走っている距離が分からないまま走り続けているような気分になりますよね……というのは、私自身がずっと感じていたことでした。
そこで作ったのが、当ブログのNISA積立シミュレーターです。積立額と利回りを入れると資産の伸びが出るだけでなく、何歳でFIREできるか、老後にいくら足りないのかまで一本の流れで見られるツールに仕上げました。この記事では、そのツールを作った理由と作り方、そして今まさに考えている次の構想までまるごとお話しします。
私がこのツールで知りたかったことは、実は2つありました。1つは、このままの積立のペースと資産状況で、いったい何歳でFIREできるのかということ。もう1つは、もし自分の寿命が思ったより短かったとして、遺産を残さずきれいに使い切る「Die with Zero(ゼロで死ぬ)」を計画したら、毎月いくらまで使えるのかということです。増やす話と使い切る話、その両方に自分の数字で答えが欲しかったんですよね。
- NISA積立シミュレーターを自作した動機と背景
- 何歳でFIREできるかを計算している仕組み
- AIを使って個人がツールを公開するまでの流れ
- マネーフォワード連携版と老後版の構想
- 寿命から逆算する「Die with Zero」で毎月使える金額の考え方

ねえワッシー、また新しいものを作ったんだって? FIREって言葉はよく聞くけど、自分がいつできるのかなんて、ぼく考えたこともないなあ。

そこなんだよ、ワッピー。私も同じで、いまのペースで積み立てたら何歳でFIREできるのかが知りたかったんだ。それともう一つ、もし寿命が短かったとして、お金を残さず使い切るなら毎月いくら使えるのか。この2つを1つの画面で見たくて作ったんだよ。
その積立、将来いくらになると思いますか?
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NISA積立シミュレーターを自作した理由
世の中にシミュレーターは山ほどあります。それでも自分で作ろうと思ったのは、既存のツールでは私が本当に知りたかったことに手が届かなかったからです。ここでは、その物足りなさの正体と、5,000万円という目標を数字にしたかった気持ちを書いていきます。
既存のシミュレーターに感じた物足りなさ
金融機関のサイトにある積立シミュレーションは、たいてい「毎月いくら」「何年間」「利回り何パーセント」の3つを入れると、将来の金額がドンと出てきます。数字としては正しいですし、複利の力を実感するにはじゅうぶんです。ただ、出てきた金額を見ても、私の暮らしと結びつく感じがしませんでした。
たとえば20年後に3,000万円と表示されたとして、その3,000万円で何年暮らせるのかは分かりません。税金が引かれるのか引かれないのかも分かりません。物価が上がったあとの3,000万円が、今の3,000万円と同じ価値なのかも触れられていない。つまり、資産形成の入口だけを切り取ったツールがほとんどだったのです。
私が知りたかったのは入口ではなく出口でした。積み立てた先に何が待っているのか。いつ働くのをやめられるのか。やめたあと、そのお金は何歳まで持つのか。この問いに答えてくれるツールが、少なくとも無料で気軽に触れる範囲では見つからなかった。だったら作るしかないな、と思ったわけです。
知りたかったのは何歳でFIREできるか
FIREという言葉は、経済的な自立と早期リタイアを合わせた考え方です。ただ、私の場合は南の島でのんびり暮らしたいという話ではなく、働き方を自分で選べる状態になりたいというのが本音でした。会社に人生の主導権を預けたままにしたくない、という感覚に近いです。
その状態にいつ到達するのかは、実は逆算できます。年間の生活費が決まっていて、資産の取り崩し方が決まっていれば、必要な資産額は計算できるからです。よく知られている4%ルールなら、年間生活費の25倍が一つの目安になります。年間240万円で暮らす人なら6,000万円、年間180万円なら4,500万円という具合です。
もっとも、この25倍という数字はアメリカの過去データをもとにした研究から出てきたもので、日本でそのまま当てはまるとは限りません。あくまで一般的な目安として置いたうえで、自分の年金や利回りの前提を入れ替えながら試すのがいいと考えています。だからこそ、前提を自由にいじれるツールが欲しかったのです。
もし寿命が短かったら?「Die with Zero」で毎月いくら使えるか
もう一つ、私がずっと引っかかっていたのが逆方向の問いでした。資産形成の記事は、たいてい「いくら貯めるか」で話が終わります。でも、貯めたお金は最後に使うためのものですし、自分が何歳まで生きるのかは誰にも分かりません。
『DIE WITH ZERO』という本では、お金は使ってこそ経験に変わる、だから死ぬときに資産をゼロにするのが理想だ、という考え方が語られています。ここで大事なのは貯めるのをやめようという話ではなく、使う計画まで含めて初めて資産形成は完成するという視点のほうです。
そこで私が知りたかったのは、たとえば「85歳で終わる前提」と「95歳まで生きる前提」で、遺産を残さず使い切るとしたら毎月いくら使えるのか、という具体的な金額でした。仮に60歳の時点で3,000万円あって、年金とは別に25年かけて取り崩すなら毎月10万円、15年で使い切るなら毎月16万円強。寿命の置き方だけで、使える額は1.5倍以上も変わってしまうのです(運用を続ける前提ならさらに増えます)。
この数字を先に知っておくと、日々の判断が変わります。あの旅行は本当に10年後に先延ばしする必要があるのか。いまの節約は、将来の誰のためのものなのか。資産形成のペースに正解はあるのかを考えるうえでも、いつFIREできるかといくら使えるかはセットで見るべきものだと思い、シミュレーターには取り崩し側の計算も最初から組み込みました。

えっ、ゼロで死ぬの? ぼく、お金って残すものだと思ってたよ。

残したい人はもちろん残していいんだよ、ワッピー。ただ、残す額も自分で先に決めておかないと、ただ使わなかっただけの残り物になってしまう。だから私は「いくら残すか」を決めて、その残りを何年で使い切るかで毎月の金額を出しているんだ。
5,000万円の小金持ち山を可視化したかった
当ブログは5,000万円の小金持ち山を目指す、という旗を掲げています。とはいえ、5,000万円という数字は大きすぎて、日々の生活からは遠く感じます。毎月3万円の積立をしている人にとって、5,000万円は宇宙の話みたいに聞こえてしまうかもしれません。
ところが、利回り5%で毎月5万円を30年続けると、元本1,800万円に対して最終資産は4,000万円を超えてきます。この「元本と運用益の差」を目で見た瞬間、多くの人の感覚は変わるはずです。私自身がそうでした。数字が具体的になると、続ける理由が自分の中に生まれます。

私がツールを作るときに一番こだわったのは、元本と運用益を分けて表示することでした。合計額だけだと「増えたなあ」で終わってしまいます。でも、自分が出したお金と市場が働いて増やしてくれたお金を分けて見ると、投資を続ける意味が腹落ちするんですよ。
何歳でFIREできるかが分かる仕組み
ここからは、シミュレーターの中身の話です。かんたん版からとことん版まで3段階に分けている理由と、それぞれで何が分かるのかを順番に見ていきましょう。
かんたん版(シンプル版)で複利の伸びをつかむ
最初のかんたん版(シンプル版)では、いまの年齢、いま持っている資産、毎月の積立額、想定利回りの4つだけを入れます。入力が少ないぶん、結果もシンプルです。何年後にいくらになるのか、そのうち元本がいくらで運用益がいくらなのかが一目で分かります。
なぜ入口をここまで絞ったかというと、入力欄が多いツールは最初の一歩でつまずくからです。投資を始めたばかりの人が10個も20個も数字を求められたら、たいていはそっとページを閉じます。まず4つだけ入れてもらって、増え方の形を見てもらう。そこから先に進みたくなった人だけが次の段階に行けばいい、という設計にしました。
ちなみに、想定利回りの初期値をいくつにするかはずいぶん悩みました。全世界株式のインデックスファンドの長期平均はおおむね年5%から7%あたりで語られることが多いものの、これも過去の実績にすぎません。そのため、控えめな数字と強気の数字を両方入れて比べてもらう前提で作っています。
くわしく版(通常版)で税金と手取りを見る(作成中)
次のくわしく版(通常版)では、目標金額や積み立てる期間、想定インフレ率などを加えて計算します。ここで一番見てほしいのが、NISAを使った場合と使わなかった場合の手取りの差です。
通常の課税口座では、運用益に対して20.315%の税金がかかります。仮に運用益が2,000万円出たとすると、400万円以上が税金として引かれる計算になります。ところがNISA口座なら、この部分がまるごと非課税です。新NISAでは生涯投資枠が1,800万円、そのうち成長投資枠が1,200万円まで、年間では最大360万円まで投資できます(出典:金融庁『NISA特設ウェブサイト』)。
ツール上では「NISAでの手取り」と「課税口座での手取り」を並べて表示しています。制度の説明を100回読むより、自分の数字で差額を見たほうが速いと考えたからです。
ちなみに、この差額は口座の種類を選ぶだけで生まれるものです。運用の腕を上げて数百万円を上乗せするのは大変ですが、NISA口座を作るのは一度きりの手続きで終わります。まだ持っていないなら、シミュレーターで数字を見たあとに手を付ける優先度は一番上です。
口座を開くならネット証券が無難です。私は楽天証券とSBI証券の両方に口座を持っていますが、楽天市場をよく使うなら楽天証券、取扱本数や外国株の広さを重視するならSBI証券、という選び方でいいと思います。どちらも口座開設と維持は無料です。
あわせて、同じ金額をiDeCoで拠出した場合の年間節税額も出るようにしました。iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、所得税と住民税が毎年軽くなります。2027年1月の拠出分からは上限額の引き上げも予定されていて、条件によっては使える枠がぐっと広がります。会社員の場合は401k(企業型確定拠出年金)の有無で拠出できる額が変わりますので、企業型確定拠出年金とiDeCoの違いを先に押さえておくと、枠の使い方の判断もしやすくなります。
とことん版(明るい老後計画版)で年金と取り崩しまで(作成中)
そして本命がとことん版(明るい老後計画版)です。ここでは、FIRE後に毎月使いたい金額、何歳まで生きる想定か、受け取れそうな年金、年金の受け取り開始年齢、FIRE後の想定利回り、取り崩しを始める年齢まで入れられます。
計算の流れはこうです。まず積立を続けている期間の資産の伸びを出します。次に、取り崩しを始めた年齢から毎年の生活費を引いていきます。このとき、残った資産は引き続き運用されている前提なので、取り崩しながらも増える力が働きます。そして年金が始まる年齢からは、不足額だけを資産から補う形に切り替わります。
この計算をすると、資産が寿命より先に尽きるのか、それとも余るのかが年単位で見えてきます。つまり、何歳でFIREできるかという問いに対して、「この前提ならこの年齢」という答えが返ってくるわけです。前提を変えれば答えも変わりますから、いろいろな数字を入れて幅を持って見るのがおすすめですよ。

じゃあさ、ぼくが毎月3万円で、いまの貯金がゼロだったら何歳でFIREできるの?

それをその場で出してくれるのがこのツールなんだ。しかも、そこから毎月5万円に増やしたらどう変わるかも、スライダーを動かすだけで比べられる。差を目で見ると、あと2万円の重みが変わってくるよ。
インフレを織り込んだ今の物価に直すと
もう一つ、私がどうしても入れたかったのがインフレの調整です。30年後の5,000万円は、今日の5,000万円とは価値が違います。仮に物価が年2%で上がり続けると、30年後のお金の価値はおよそ半分近くまで目減りする計算になります。
そのためツールでは、将来の金額をそのまま出すだけでなく、今の物価に直すといくらなのかも並べて表示しています。この2つを並べたときの落差は、正直けっこうショックです。ただ、ショックを受けたほうがいいと思うんですよ。目減りを知らないまま20年走るより、知ったうえで積立額を見直すほうがずっと建設的ですから。
老後の生活費についても、公的な統計を見ると輪郭がつかめます。65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、1か月あたりの消費支出が26万円台、実収入との差し引きで毎月4万円前後の不足が出ているという結果が出ています(出典:総務省統計局『家計調査報告(家計収支編)』)。もちろんこれは平均値であって、住んでいる地域や持ち家かどうかで大きく変わります。あくまで出発点の目安として使ってください。
AIを使って個人でツールを作った経緯
ここからは制作の裏側です。私はエンジニアではありませんし、本業でコードを書いているわけでもありません。それでも公開までたどり着けたので、その流れをそのまま書き残しておきます。
企画からリリースまでの流れ
最初にやったのは、紙に「知りたいこと」を書き出す作業でした。何歳でFIREできるか。老後にいくら足りないか。NISAでいくら得するか。この3つが出発点です。設計書らしい設計書は作らず、読者が知りたい順に画面を並べることだけを決めました。
次に、その要件をAIに渡して計算ロジックとコードの土台を作ってもらいました。ここが一番の変化だと感じています。数年前なら、外注するか、自分で何か月も勉強するかの二択でした。ところが今は、日本語で仕様を伝えれば動くものが返ってくる。私の役割は、返ってきたものを読者目線で削ったり足したりすることに移りました。
そこから先は、ひたすら試して直すの繰り返しです。自分の年齢と積立額を入れて、出てきた数字が感覚と合うかを確かめる。合わなければ計算式を見直す。表示が分かりにくければ言葉を変える。この往復を何十回もやって、ようやく人に見せられる形になりました。
つまずいた計算ロジックと直し方
一番手こずったのは取り崩しの部分です。積立の計算は素直で、毎月の入金と利回りを回していけば答えが出ます。ところが取り崩しは、生活費を引きながら残りを運用し、途中から年金が入り、しかもインフレで必要額が毎年増えていくという、複数の要素が同時に動く計算になります。
最初に組んだときは、インフレを生活費だけに効かせて年金には効かせていませんでした。その結果、年金が実質的に強すぎる前提になってしまい、多くの人が余裕でFIREできるという甘い答えが出てしまったのです。これに気づいたのは、自分の親の家計に当てはめて「さすがにこれはおかしい」と思ったからでした。
シミュレーターの結果は、前提の置き方でいくらでも変わります。都合のいい数字だけを入れて安心してしまうのが一番危ない使い方です。利回りは低め、インフレは高めという厳しい前提でも成り立つかを一度は確かめてみてください。
個人ブログでもツールが作れる時代
今回いちばん実感したのは、個人ブログが記事だけを置く場所ではなくなったということです。読者の悩みが「計算したい」なら、計算できる場所を用意すればいい。文章で説明するより、触ってもらったほうが速いことは確実にあります。
しかも、ツールは記事と違って何度も使われます。積立額を変えたとき、ボーナスが入ったとき、転職を考えたとき。人生の節目ごとに戻ってきてもらえるページになるんですよね。この積み重ねは、ブログを長く続けるうえでかなり大きいと感じています。

もし今からブログを始める人がいたら、記事を100本書くより、読者が実際に手を動かせるものを1つ作るほうが効くかもしれません。作る過程で自分の理解も一段深くなりますし、何より作っていて楽しいです。
NISA積立シミュレーターの具体的な使い方
せっかくなので、実際に使うときの手順とコツもまとめておきます。数分あれば一通り触れる作りにしてあります。
まず入れる4つの数字
最初に必要なのは、いまの年齢、いま持っている資産、毎月の積立額、想定利回りの4つだけです。いま持っている資産には、証券口座の残高だけでなく、企業型確定拠出年金(401k)やiDeCoの残高も含めて構いません。すでに投資に回っているお金は、まとめて数えたほうが実態に近くなります。私も401kの運用実績をブログで公開していますが、この枠の残高は意外と忘れられがちなんですよね。
毎月の積立額は、背伸びした数字ではなく、実際に今出せている金額を入れるのがコツです。理想の金額を入れると結果は気持ちよくなりますが、その気持ちよさは行動につながりません。まず現実の数字で見て、そのあとに「あと1万円増やしたらどうなるか」を試す。この順番が効きます。
自分が毎月いくら投資に回せているのかがはっきりしない場合は、先に家計側を押さえるのが近道です。私はライフプラン表と支出管理表の作り方を別記事にまとめていますので、数字が曖昧な人はそちらから触ってみてください。
利回りは何パーセントで見るか
想定利回りは結果を大きく左右します。3%と6%では、30年後の資産が倍近く変わることもあります。だからこそ、1つの数字で決め打ちしないでほしいのです。
私のおすすめは、3%、5%、7%の3パターンを試すやり方です。3%は市場が振るわなかった場合、5%は落ち着いた前提、7%は過去の好調な時期に近い前提、というイメージで見ます。そしていちばん低い前提でも生活が成り立つかを判断の軸にします。
加えて、利回りは平均であって毎年同じように増えるわけではありません。途中で3割下がる年も普通にあります。毎月同じ額を買い続けるドルコスト平均法なら下がった年こそ多く口数を買えるわけですが、それでも平均だけを見て安心せず、下がった年が混ざっても続けられる金額かどうかまで含めて考えてみてください。
結果の読み方と行動への落とし込み
結果画面で最初に見てほしいのは、合計額ではなく元本と運用益の内訳です。運用益の割合が小さいうちは、積立額を増やす効果が大きい時期。逆に運用益の割合が大きくなってきたら、続ける時間そのものが効いている時期です。この見分けがつくと、次に何をすべきかが自然と決まります。
その次に見るのが、FIREできる年齢と資産が尽きる年齢です。ここで「思ったより遅いな」と感じたら、打ち手は3つしかありません。積立額を増やすか、FIRE後の生活費を下げるか、働く期間を少し延ばすか。どれを動かすとどれだけ効くのかを、その場で試せるのがツールの良いところですね。
そして、出た数字はスクリーンショットでも構わないので残しておいてください。半年後に同じ条件で計算し直すと、自分がどれだけ前に進んだのかが分かります。この差分こそが、続けるための燃料になります。
やりがちな入力の落とし穴
よくあるのが、年金をもらえる前提で入れているのに受け取り開始年齢を早く設定してしまうケースです。受け取り開始を60歳にすると、本来より減額された金額になります。ここを楽観的に入れると、結果は一気に甘くなってしまいます。
もう一つは、FIRE後に毎月使いたい金額を今の生活費のまま入れてしまうことです。仕事を辞めれば通勤や付き合いの支出は減りますが、そのかわり社会保険料は自分で全額払うことになりますし、健康にまつわる支出は年齢とともに増えていきます。減る費目と増える費目の両方を思い浮かべながら数字を置いてみてください。
最後に、寿命の設定です。短めに置けば当然お金は足ります。ただ、想定より長生きしたときに困るのは自分ですから、私はあえて長めに置くようにしています。95歳あたりで成り立つなら、まず安心して眠れるかなと思います。
マネーフォワードを使った通常版の構想
ここからが、いま検討している次の一手です。今のシミュレーターは、数字をすべて手で入れてもらう前提で作っています。これを家計簿のデータとつなげたら、もっと現実に近い試算ができるはずだと考えています。
家計簿の数字をそのまま使いたい
シミュレーターを使うときの一番の壁は、実は計算ではありません。「毎月いくら投資に回せているか」「毎月いくらで暮らしているか」を正確に答えられない、という壁です。ここが曖昧なままだと、どれだけ精密な計算をしても答えは曖昧なままになります。
その点、マネーフォワードMEのような家計簿アプリで銀行口座やクレジットカードを連携しておけば、支出も資産も自動で集計されます。無料版でも連携できる件数には上限がありますが、メインの銀行と証券口座、それにメインのカードを押さえておけば、家計の輪郭はかなりつかめます。
私自身も日々の家計管理はアプリに任せています。設定のコツはマネーフォワードMEを使いこなすための設定手順にまとめてありますので、まだ使っていない人はそちらを先に見てもらうと話が早いです。
もう一つ、副業やブログの収入がある方は確定申告の手間もついて回ります。私はマネーフォワード クラウド確定申告を使っていて、銀行口座やカードを連携しておけば仕訳が自動で入るので、3月に慌てることがなくなりました。青色申告の65万円控除まで取れれば、その節税分はそのまま毎月の積立額に回せます。家計簿のマネーフォワードMEと同じアカウントで使えるので、副業の収入と家計を一つの画面で見られるのも地味に助かっています。無料で試せますから、確定申告が憂うつな方は一度触ってみてください。
マネーフォワード クラウド確定申告を無料で試す(公式サイト)
連携で何が便利になるのか
連携版で実現したいのは、入力の手間を消すことです。毎月の支出額と資産総額が自動で反映されるなら、ユーザーが入れる数字は目標や利回りといった前提だけで済みます。ログインしてボタンを押せば、今の自分の現在地から計算が始まる。この体験にできたら、使ってもらえる回数は確実に増えるはずです。
さらに面白いのが、時系列で追えるようになる点です。半年前より積立額が増えたのか、生活費が膨らんでいないか。その変化がFIRE予定年齢にどう響いたのかまで見えると、家計改善のモチベーションが変わってきます。数字が動くのが楽しくなる、という状態を作りたいんですよね。
実装で乗り越えるべき課題
とはいえ、課題は小さくありません。まず、金融データを扱う以上、安全面の設計は最優先になります。個人が運営するブログでどこまで責任を負えるのかは、慎重に考えるべきところです。
次に、家計簿の費目とシミュレーターが必要とする数字は、そのまま一致するわけではありません。たとえば投資に回した金額は支出なのか貯蓄なのか、住宅ローンの元本部分をどう扱うのか。この対応づけを間違えると、自動で出た数字のほうが実感とずれてしまいます。
現実的な落としどころとして、まずは手入力を補助する形から始めるつもりです。アプリの画面を見ながら数字を写してもらい、その入力欄に「どの項目を見ればいいか」を書いておく。完全自動化はその次の段階かなと考えています。
老後に備えたシミュレーションの構想
もう一つ検討中なのが、FIREではなく老後そのものに軸足を置いたバージョンです。取り崩す側の設計をもっと丁寧にやりたい、というのが動機になります。
取り崩しフェーズを別で考える
資産形成には、積み上げる時期と取り崩す時期があります。この2つは求められる考え方がまったく違います。積み上げる時期は下落が味方になりますが、取り崩す時期の下落は資産寿命を直接削ります。同じ平均利回りでも、暴落がいつ来るかで結果が変わってしまうのです。
そしてもう一つ入れたいのが、Die with Zeroの発想をそのまま数字に落とす機能です。「何歳で資産をゼロにしたいか」を先に決めて、そこから毎月使える金額を逆算する。いまのツールは「毎月これだけ使ったら何歳で尽きるか」を出す方向ですが、その逆向きの計算があると、お金を使うことへの後ろめたさがかなり減るはずなんですよね。

でもさ、資産がどんどん減っていくのを見るのって、ぼくちょっとこわいなあ。

その気持ちはよく分かるよ。ただ、先に「ここまでは使っていい」という線が引けていれば、減るのは予定どおりということになる。本当にこわいのは、線を引かないまま減っていくときなんだ。
そのため、老後版では取り崩し方の選択肢を複数用意したいと考えています。毎年決まった金額を引き出すやり方、資産残高に対する一定割合を引き出すやり方、その中間を取るやり方。それぞれで資産寿命がどう変わるかを見比べられれば、自分に合う引き出し方が選べます。
年金と不足額をどう見積もるか
老後の計算で外せないのが公的年金です。ねんきん定期便に書かれている見込額を入れてもらうのが一番正確ですが、若い世代ほどその数字はまだ小さく表示されます。そこで、現役時代の収入から概算する仕組みも用意したいところです。定年までの残り時間が見えてきた世代の方は、50代からの家計管理と資産形成のロードマップもあわせて読んでみてください。
加えて、受け取り開始を繰り下げた場合の増額も見られるようにしたいと考えています。65歳より遅らせると1か月あたり一定の割合で増えていく仕組みがあり、長生きするほど有利に働きます。取り崩しと年金の受け取り開始をセットで最適化できたら、かなり実用的なツールになるはずです。
介護と葬儀まで含めた最終形
そして最後に入れたいのが、介護や葬儀にかかるお金です。ここは触れたくない話題ではありますが、金額としては決して小さくありません。準備がないまま直面すると、それまで積み上げた資産計画がまとめて崩れてしまいます。
もちろん、必要額は状況によって大きく変わりますから、あくまで一般的な目安として幅を持たせた表示にするつもりです。それでも、ゼロとして扱うより、幅で見えているほうがずっと安心できます。ここまで入ってようやく、生涯を通したお金の地図になるかなと思っています。

老後版を考え始めてから、私の関心はいくら貯めるかより、どう使い切るかに移りました。お金は使うために貯めるものですからね。増やす話と同じくらい、減らし方の設計も大事だと思っています。
NISA積立シミュレーターのよくある疑問とまとめ
最後に、読者の方から届きそうな疑問にまとめて答えたうえで、この記事の要点を振り返ります。
積立シミュレーターのよくある質問(FAQ)
Q1. NISA積立シミュレーターは無料で使えますか
A. 無料です。会員登録もログインも必要ありません。ブラウザで開いて数字を入れるだけで結果が出ますし、入力した内容を私が受け取ることもない作りにしています。気になったときに何度でも試してみてください。
Q2. 何歳でFIREできるかの計算はどこまで信じていいですか
A. 入れた前提が続いた場合の目安、という位置づけで見てください。利回りもインフレも年金も、将来どうなるかは誰にも分かりません。だからこそ、厳しい前提と穏やかな前提の両方で計算して、その幅の中で判断するのがおすすめです。
Q3. 投資を始めていなくても使えますか
A. もちろん使えます。むしろ始める前の人にこそ触ってほしいツールです。口座をこれから開く方は、新NISA初心者の始め方5ステップもあわせてどうぞ。いま持っている資産をゼロにして、毎月1万円から入れてみてください。10年後、20年後の数字を見ると、少額でも続ける価値があることが分かるはずですよ。
Q4. スマートフォンからでも使えますか
A. 使えます。通勤中や寝る前に思いついたときに触れることを想定して作りました。ただ、とことん版は入力項目が多いので、じっくり考えたいときはパソコンの大きな画面のほうが見やすいかもしれません。
Q5. 家計簿アプリとの連携版はいつ公開されますか
A. 時期はまだお約束できません。安全面の設計を含めて詰めるべきことが多く、慌てて出すものではないと考えているためです。まずは手入力を助ける形から順に改良していきますので、更新情報を待っていてもらえたらうれしいです。
Q6. Die with Zeroのように使い切る前提でも計算できますか
A. とことん版で、寿命の想定とFIRE後に毎月使いたい金額を動かせば、実質的に同じことが確かめられます。使いたい金額を少しずつ上げていって、ちょうど想定寿命の年に資産がゼロへ近づく金額。それが遺産を残さない場合の毎月の上限です。85歳と95歳の両方で試すと、寿命の置き方だけで使える額がどれだけ変わるのかも見えますよ。
NISA積立シミュレーターで未来を先に見てみよう
ここまで、ツールを作った理由から中身の仕組み、そして次の構想までお話ししてきました。あらためて振り返ると、私がやりたかったのは複雑な計算を見せることではなく、遠くにあるゴールを自分の数字に引き寄せることでした。
毎月の積立が正しいのかどうか、続けている最中は分かりません。だからこそ、一度立ち止まって未来を先に見てみる価値があります。何歳でFIREできそうなのか、老後にいくら足りないのか、そして遺産を残さず使い切るとしたら毎月いくらまで使えるのか。答えが分かれば、今日やることが自然と決まります。
そして、出た数字が思わしくなくても落ち込まないでください。早く知れたことが最大の収穫です。積立額を千円増やす、固定費を一つ見直す、働く期間を1年だけ延ばす。小さな調整で結果は動きます。操作に迷ったときのためにNISA積立シミュレーターの使い方もまとめてあります。まずはNISA積立シミュレーターを開いて、あなたの数字を入れてみてください。5,000万円の小金持ち山は、意外と手が届くところにあるかもしれませんよ。
あなたは何歳で「働かなくてよくなる」?
今の年齢・毎月の積立額・利回りを入れるだけ。FIREできる年齢とNISAで浮く税金まで、その場で計算します。
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